hitch, make a wager, plain sailing... 映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』で学ぶ英語

Netflixで2021年末から公開されている映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(原題:The Power of the Dog)。1920年代を舞台にしたrancher(牧場主)の話で、最初観たときは何のこっちゃわからん映画だったが、レビューを聞いてやっとどういう話なのか理解できた。

You got a sore gut?

冒頭でのカンバーバッチとジェシー・プレモンスの会話にて、兄役のカンバーバッチが言うセリフ。gutは「消化器官」「胃腸」といった意味。have (got) a sore ~ で「~が痛い」という意味。例:I have a sore eye(目が痛い)

You act like it pains you to hitch two words together.

黙っているジェシー・プレモンスに対しカンバーバッチが続けて言うセリフ。興味深いことに、この映画を紹介する海外サイトでhitchの部分がhitになっているものが少なからずある。実際の映画での英語字幕はhitchであり、台本でもhitchになっているようだからhitchが正解なのだろうけど、ネイティブの人的には、発音的にも意味的にもhitと解釈しても変ではないということなのだろうか。hitchには馬などを「つなぐ」の意味があって、ここでは「words(言葉)をつなぐ」の意味で使われていると思われる。また「ヒッチハイク」のhitchでもあり、hitch a rideで「(人の)車に乗せてもらう」の意味。


back then we had herring at the saloon

レストランで仲間たちと食事をするカンバーバッチが言うセリフ。herringは「ニシン」。saloonは西部時代のバーを意味する。

I remember this one time Bronco made this wager that he could jump any horse

続きのセリフから。make a wagerで「賭けをする」の意味。jump a horseは馬に乗って柵を飛び越えるといった意味のようだ。

We chose him a nag.

nagはここでは「老いぼれ馬」だが、他には「しつこく文句を言う、せがむ」といった意味があり、naggingで「しつこくつきまとう、悩ませる」といった意味の形容詞。


Yeah, I dropped them both a line

Did you write to the old lady?(おふくろに手紙書いた?)に対しカンバーバッチが答えるセリフ。drop someone a lineで「手紙を書く」の意味。ここでは「両親に」(them)ということらしい。


Everything’s going to be plain sailing for you from now on here.

終盤のシーンから。本作では獣皮(hides)が鍵となるが、それをピーターから差し出されたカンバーバッチが言うセリフ。plain sailingはもともと「順調な航海」といった意味で、そこから「簡単」「とんとん拍子」といった意味でも使われるようだ。